よく聞く「原発1基分」とはどれくらいの発電量なのか

よく聞く「原発1基分」というコトバ

「原発1基分」というコトバは、新聞やテレビなどメディアの報道で目にする機会がしばしばあるものです。例えば以下のような用例で用いられています。

東北電力が外部の太陽光発電設備から購入する電力の最大出力が100万キロワットに迫ることが分かった。出力規模は原子力発電所1基分。

日本経済新聞 2014/8/20付

この原発1基分とは具体的に何を示すのか解説します。

「原発1基分」とは具体的にどれほどのものか

発電容量で100万kWが原発1基分

上の用例でも示されているように、「原発1基分」とは具体的には100万kWを指して使われることが多いです。

ただし、実際には日本国内に現存する原発の出力は1基あたり57.9万kW(泊原子力発電所)から135.8万kW(柏崎刈羽など)まで大小様々です。

使い方には注意点も

原発1基分というコトバは、電気の容量を示す際に使われることが多いです。しかし注意が必要です。

例えば太陽光発電の出力が原発1基分に相当する100万kWであった場合、実際に発電出来る「量」は原子力発電所の発電容量の100万kWとは大きく異なるものとなります。

太陽光発電は発電効率や天候によって発電量が左右されるため、定期点検などで停止しない限り一定の発電量を維持出来る原子力発電よりも同じ発電容量あたりの発電量は自ずと小さなものとなります。

太陽光発電の設備利用率は20%であるのに対し、原子力発電所は原発事故による停止以前は80%前後と高い水準を維持していました。つまり、同じ100万kWでも太陽光発電と原子力発電では発電量に4倍の差が生じると言えます。