2016年の参院選挙において、新党改革が政策として掲げた「エネファームで脱原発」の実現が難しいと言える根拠を示します。
エネファームとは
本題に入る前に、エネファームについて触れておきます。
エネファームとは家庭用燃料電池システムのことで、現在日本においても徐々に普及が進んでいる商品です。
都市ガスあるいはプロパンガスから取り出した水素を化学反応させることで、発電と給湯を行うシステムです。
なぜエネファームでは脱原発が難しいのか
エネファームで脱原発をすることは難しいと言える根拠はこうです。
エネファームの発電量は大きくない
現在市販されているエネファームの発電能力は、500~700Wです。電子レンジを1台動かせる程度の出力であり、家庭全体の電力を十分にまかなえるほどの能力はありません。
電気だけでなくお湯も一緒に作ってしまう
エネファームは発電と同時に、お湯をつくることでエネルギー効率を高める仕組みです。作られたお湯をタンクに貯め、給湯します。
現在の一般的なエネファームのシステムでは、お湯のタンクが満タンになった時点で発電を止めるため、発電をし続けるということが出来ません。
システムの導入費用が高価
エネファームは低価格化が進んでいるものの、現在でも200万円程度の導入費用が掛かるため、新築戸建住宅でも導入率は高いとは言えない状況にあります。
設置することで投資コストを回収できる高効率型の給湯器「エコジョーズ」は広く普及していますが、これは初期費用を十分に回収出来るためで、エネファームにはそれが出来ないため普及率が伸び悩んでいます。
後押しにはなるが、貢献は小さい
エネファームの普及は脱原発を後押しする要因にはなりえるものの、その効果は限定的と言えます。
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