
シン・エナジーは、全国(北海道・離島を除く)で展開している新電力会社です。再生可能エネルギーの発電所を多数保有し、環境配慮型の電気を提供している一方で、市場価格に連動する料金体系を採用しており、タイミングによっては電気代が安くなることもあれば、高くなることもあります。ここでは特徴や料金体系、メリット・デメリットを整理して解説します。
シン・エナジーの特徴

シン・エナジーは、かつて洸陽電機(こうようでんき)という社名で事業を行っており、2018年に現在の社名へ変更しました。三井物産やオリックス、JR西日本系など大手企業が出資していることもあり、安定した事業基盤があります。神戸に本社がある会社です。
北海道から沖縄まで65か所に自社発電所を持ち、太陽光発電だけでなく、小水力、地熱、バイオマスといった多様な再エネに力を入れているのが特徴です。中でも、長崎県雲仙市の小浜温泉では、これまで海に捨てられていた温泉水を利用した地熱発電を行い、注目を集めました。
料金プランの概要
シン・エナジーの料金は、市場価格と連動する「電源調達調整費」が加わる仕組みです。電力取引価格が低い時期は割安になることがありますが、価格が高騰するとその分電気代も上昇します。
過去には、2023年下半期から2024年上半期にかけて非常に安く、一般家庭の平均的な使用条件で年間で2万円近い節約になったケースもありますが、2024年下半期には市場価格の高止まりで割安感が薄れる時期もありました。短期的には料金が上下する可能性があるため、安い時期が必ず続くとは限りません。
セット割と特典
- JALマイル還元:200円につき1マイル(実質0.5%還元)
- 口座振替割引:月55円割引(クレジットカード払いでも適用)
このほか、契約期間の縛りがなく、違約金もありません。支払い方法はクレジットカードと口座振替の両方に対応しています。
環境面の取り組み
再エネ発電所を自社で多数保有していることから、環境意識の高い利用者にも選ばれています。電源構成の詳細は公開されていませんが、CO2排出係数は新電力の中で平均的な水準で、年々改善傾向が見られます。
注意したい追加費用
2024年春から、電気料金に「容量拠出金」が加算されています(沖縄を除く)。これは将来の電力不足を防ぐために全国で導入された制度で、2024年度の単価は1.65円/kWh。月300kWh使用する家庭では約495円の負担になります。他社では料金表示に含まれていることが多いですが、シン・エナジーでは別項目として加算されます。
プランの選び方
- きほんプラン:一人暮らしや電気使用量が少ない世帯に向いている
- 昼・夜の生活フィットプラン:2人以上の世帯向け。昼間在宅が多いなら昼プラン、夜間在宅が多いなら夜プランが有利
契約後もマイページからプラン変更が可能で、「ぴったりプラン診断」機能を使えば、自分に合ったプランを確認できます。迷ったときは、まず「きほんプラン」で申し込んでみて、半年くらい利用してみると最適なプランが分かります。
まとめ
シン・エナジーは、多様な再生可能エネルギーを活用し、環境面での魅力がある新電力です。市場価格が安定しているときは大手電力会社より割安になることがありますが、市況によっては短期間で「割安ではなくなる」こともあります。
料金の変動を受け入れられる人や、再エネを応援したい人には検討の価値がありますが、安定した料金を重視する場合は、固定料金型の電力プランと比較して選ぶことをおすすめします。