燃料費調整に上限を設けており、電気代高騰リスクが低い電力会社を一覧で紹介します。
そもそも燃料費調整とは?
燃料の輸入価格の変動を電気代に転嫁する
燃料費調整とは、燃料(天然ガス、石炭、石油)の輸入コストの変動を電気代に転嫁する仕組みです。政府統計に記載された燃料価格と為替レートをもとに計算します。
計算方法は多くの会社が同じ(地域ごとによって違う)です。一部、独自の計算方法を採用していたり、そもそも燃料費調整を採用していない電力会社も少数存在します。
大手電力従量電灯では上限が設けられている
大手電力会社の標準プランである「従量電灯」では、この燃料費調整に上限を設けています。なので燃料価格が高騰しても、一定以上に上がらないようになっています。
ですが多くの新電力、そして大手電力会社でも新しい料金プラン(従量電灯以外のプラン)では、この上限が無いものが多いです。
2022年現在、多くの地域で上限に達している 上限の有無で月1400円の差に
2022年現在、世界的な資源価格の高騰の影響を受けて多くのエリアで大手電力の燃料費調整が上限に達しています。
上限無し-上限あり 燃料費調整単価の差 (2022年9月分) | 電気料金の差 300kWhの場合 | |
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北海道電力 | 3.16円/kWh | 948円 |
東北電力 | 4.20円/kWh | 1260円 |
東京電力 | 1.37円/kWh | 411円 |
中部電力 | 上限未達 | |
北陸電力 | 5.04円/kWh | 1512円 |
関西電力 | 3.90円/kWh | 1170円 |
中国電力 | 6.24円/kWh | 1872円 |
四国電力 | 5.02円/kWh | 1506円 |
九州電力 | 2.67円/kWh | 801円 |
沖縄電力 | 8.47円/kWh | 2541円 |
燃料費調整に上限があるプランと、無いプランとでは燃料費調整の部分で2541円の差(沖縄の場合)が生まれます。大手電力から新電力に乗り換えて削減でいる電気代のメリットを打ち消すほどの差が上限の有無によって生じている状況です。
2022年9月時点で上限に達していない中部電力についても10月に上限に達することが予想されています。
電気料金比較サイトや新電力の公式サイトの料金シミュレーションでは、この燃料費調整を含まずに計算していることが多いので注意してください。
燃料費調整に上限がある新電力
燃料費調整に上限を設定している新電力を紹介します。
電力会社 | 対応エリア |
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北海道ガス | 北海道 |
コスモでんき | 沖縄・離島のぞく全国 |
大阪ガス、西部ガス、ソフトバンクでんき、auでんき、ドコモでんきなどは上限撤廃を発表済み。東京ガスは最初から上限がありません。