広告などでよく見かける「しろくま電力」のメリット・デメリットを解説します。電気代が高くなるリスクもあるので要注意です!
しろくま電力の特徴
市場連動型プランを採用(電源調達調整費)
しろくま電力は、東京電力や関西電力などの大手電力会社の一般家庭向けの料金プランとは異なる料金体系を採用しています。
市場連動型プランといって、「電力取引価格」に電気代が連動する料金体系を採っています。日本卸電力取引所という電力の取引を行っている市場があり、そこでの電力の取引価格によってしろくま電力の電気代が上下します。
実質再生可能エネルギー100%の電気を供給
しろくま電力は非化石証書という仕組みを利用することで、実質再生可能エネルギー100%の電力を供給します。数字上、CO2排出量はゼロとなりエコな電力です。
環境負荷の小さな電気を求めている方にぴったりな電力会社といえます。
しろくま電力のメリット
電力取引価格が安ければ電気代も安くなる
しろくま電力は電力取引価格が下がれば電気代が安くなります。実際、2023年夏時点では多くの一般家庭で大手電力会社の一般家庭向け料金プランよりも電気代が安くなっています。
2022年は電力取引価格が年間を通じて高騰していましたが、2023年春移行は落ち着いているため電気代が安い状況となっています。
電力取引価格高騰に備えた仕組みがある
しろくま電力には、電力取引価格高騰に備えた「積み立て」制度があります。
電力取引価格が一定以上を超えると、これまで毎月の電気料金から自動で積み立ててきた金額の中から、一定額を還元することで電気代の高騰を抑える仕組みです。取引価格の高騰が短期間で済む場合に効果を発揮するでしょう(例えば2020年末から21年1月にかけての高騰)
他社の市場連動型プランにはこのような仕組みが無く、「丸裸」です。しろくま電力は他社の市場連動型プランと比較してリスクが小さいと言えます。
しろくま電力のデメリット・注意点
電気代が高額になるリスクがある
電力取引価格が下がれば電気代が安くなる一方、電力取引価格が高くなると電気代が高くなる危険性があります。
実際、2022年の電力取引価格では多くの地域で、大手電力各社の標準メニューよりも電気代が割高になる恐れがありました。また、過去最も高騰した2021年1月の取引価格(66.53円/kWh)で計算すると東京電力管内の調整単価は70円以上となり、市場連動型による調整だけで2万円(一般家庭の平均使用量300kWhの場合)を上回ることになります。
原発の再稼働が進み、電力供給に余裕がある西日本エリア(中部・北陸電力を含む西日本)ではリスクは小さいですが、東日本エリアではややリスクが大きいと言えます。