Vポイントでんきは電気代が高い!お得ではない事実

「めちゃめちゃお得」というかわいらしいテレビCMとともにサービス提供が開始された「Vポイントでんき」ですが、実際にはお得ではありません。なぜそう断言できるのか、分かりやすく解説します。

Vポイントでんきのメリット

毎月の電気代にポイント3%還元

Vポイントでんきは電気料金の3%分のポイントが毎月もらえるのが最大の特徴です。

電気料金は一部地域をのぞいて、原則として東京電力や中部電力の標準メニューと「だいたい同額」なので、ポイント還元分お得になると言えます。ただしこの「3%」には注意点もあるので記事後半をしっかりご確認ください。

解約違約金・初期費用無し

Vポイントでんきは解約時の違約金や初期費用が原則ありません。短期間でお試しで使っても費用負担が無いので、安心して利用できます。他社では数千円の解約金が発生するところもあります。

Vポイントでんきのデメリット

電気代が3%安くなるわけではない

電気代に3%分のポイントが付与されますが、この「3%」には三井住友カードの通常のポイント還元も含んでいます。

三井住友カードの通常のポイント還元率は0.5%~なので、実質的なポイント還元は3-0.5=2.5%と言えるでしょう。例えば東京電力の電気代を三井住友カードで支払っても0.5%還元、東京ガスの電気代を三井住友カードで支払っても0.5%還元、大阪ガスの電気を三井住友カードで支払っても0.5%還元があります。

他社と比較すると割高(特に2人以上世帯)

実質的に大手電力会社より2.5%安い、と考えると2人以上世帯の平均的な使用条件では新電力会社の中では「割高」な料金設定です。

地域や使用条件によっても削減額は大きく異なりますが、例えば東京電力エリアで2人世帯(30A契約・月348kWh)だと5%前後安くなるところもあります。

電気の使用量が大きい世帯ほど、Vポイントでんきは新電力会社の中で「割高」になる傾向があります。ファミリー世帯の方にはおすすめしません。

関西・九州では大手電力会社より割高

Vポイントでんきは関西電力・九州電力のエリアにお住まいの方にはおすすめしません。関西電力や九州電力よりも電気代が高くなる恐れがあるからです。

電気代には燃料価格に連動して毎月変動する「燃料費調整」というものがあります。Vポイントでんきの燃料費調整は大手電力各社の燃料費調整とだいたい同じ計算方法で、端数処理の関係で0.01円/kWh程度の差が生じる場合はありますがほぼ同額です。

しかし大手電力各社の標準メニュー(従量電灯)の燃料費調整には上限設定があるのに対し、Vポイントでんきの燃料費調整には上限がありません。ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、2022年以降2024年現在、関西電力と九州電力では燃料費調整の上限を超えて推移しているため、燃料費調整の部分でVポイントでんきが割高となり、ポイント還元を含めても損になるケースが少なくありません。