
家庭向けの電力契約件数が国内首位の東京ガスが、「さすてな電気」という新たな料金プランの提供を開始しました。東京ガスの従来プランや、他社の料金プランとも比較しながらメリット・デメリットを分かりやすく説明します。
東京ガス「さすてな電気」の特徴
エコな電力を供給するプラン
「さすてな電気」は環境に配慮した電気料金プランです。
供給する電力は「非化石証書」という仕組みを用いることで、実質的に再生可能エネルギー100%、CO2排出量ゼロとなっています。しっかりと、制度上適合する形で「実質再エネ100%」を達成しています。
また、さすてな電気では新規契約1件につき1本を植樹するとしており、契約することで「木を植える」ことが出来るのが特徴です。
対応エリアは?
さすてな電気の対応エリアは東京電力の管轄エリア内のみです。
さすてな電気のメリット
実質再エネ100%・CO2排出ゼロでエコ
冒頭でも紹介したように、さすてな電気では制度上しっかり認められる形で「実質再エネ100%・CO2排出量ゼロ」の電力が供給されます。

世帯あたりの年間CO2排出量は約4.5トン、その内の50.9%が「電力」によるものだと言われています。さすてな電気の電気を使うことで、家庭全体のCO2排出量を一気に約半分に減らすことが出来ます。
電気代は大手電力標準メニューと同水準
さすてな電気の料金は、東京電力の標準メニューと同額です。実際の料金単価を比較してみましょう。
東電・スタンダードS | さすてな電気 | |
~120kWh | 30.00円/kWh | 30.00円/kWh |
~300kWh | 36.60円/kWh | 36.60円/kWh |
300kWh料金単価 | 40.69円/kWh | 40.69円/kWh |
基本料金 | 295.24円/10A | 295.24円/10A |
料金メニューを見比べても、0.01円単位で同額であることが分かります。
ただし、燃料費調整の部分で東京電力の「従量電灯」よりも高くなる場合があります。東電の従量電灯Bの燃料費調整に上限がありますが、東京ガスさすてな電気には上限がありません(東電のスタンダードSも上限無し)
解約違約金などが無い
さすてな電気は契約期間に関係なく、解約違約金や解約事務手数料などがありません。短期間だけ契約して、他社に再び切り替えても何か費用が発生することが無いです。
さすてな電気のデメリット
電気代が安くはならない
電力自由化では電気代の「安さ」を各社競い合っています。東京ガスもこれまでは東電と比べて安くなることをアピールした「基本プラン」という料金メニューを販売してきました。
それらの安い料金プランと比較すると、さすてな電気の電気代は「高い」と言えるでしょう。東京ガスの標準的な電気料金メニューである「基本プラン」は、一般的な家庭の場合は東電より年間数千円以上安くなる料金設定です。
オール電化住宅では電気代が高くなる
東電の標準メニューと同額のさすてな電気ですが、オール電化住宅で利用すると電気代が高くなってしまいます。オール電化プランは通常のプランとくらべて大幅に割安な料金設定がされているため、それと比べるとさすてな電気は高いと言えます。
例えば10kVA契約で月480kWhの電力を使用するモデルケースで試算すると、月に1700円程度も割高になる結果となりました。使い方によってはそれほど割高にならないケースもありますが、やはり料金が安くなる効果は期待しない方がよいです。
東京ガスのガスとのセット割引が無い
東京ガスの従来プランは、東京ガスのガスとセット契約にすることで電気代が割引になる「セット割引」がありました。しかし、さすてな電気にはそうしたセット割引はありません。
逆に言えば、東京ガスのガスを利用していないエリアにお住まいの方でも利用しやすいと言えるかもしれません。