東京ガス「もらえる電気」はオール電化のみメリットがある

東京ガスが始めた「もらえる電気」は、オール電化住宅のみ検討する価値のある料金体系と言えます。なぜ非オール電化住宅ではおすすめできないのか、数字を交えて解説します。

「もらえる電気」とは

もらえる電気の概要を解説します。

電気料金は大手電力と同額

もらえる電気の電気料金自体は、大手電力各社の標準メニューと同じ料金単価に設定されており、もらえる電気の電気料金は大手電力の電気料金と「同じ」です。

Amazonギフト券が毎月もらえる

電気料金自体は「同じ」ですが、毎月の電気料金の額に応じて数%前後の金額に相当するAmazonギフト券が毎月「もらえる」のが最大の特徴です。

電気料金が下がるのではなく、Amazonギフト券によるキャッシュバックにょって実質的な料金が「安くなる」料金体系です。

オール電化住宅にはおすすめできる理由

「もらえる電気」はオール電化住宅にはおすすめできます。その理由を解説します。

料金が1%以上安くなる

もらえる電気は「時間帯別料金」というオール電化プランを提供しています。このプランは東京電力や中部電力といった大手電力会社のオール電化プランに準じたプランで、同じ料金体系をとっています。毎月の料金に応じて、以下の料率でAmazonギフト券がもらえます。

月料金還元率
5000円未満0.5%
5000~10000円未満1.0%
10000円以上1.5%(1年目)
2.0%(2年目)
2.5%(3年目以降)

一般的なオール電化住宅の場合、月の料金が5千円を下回ることは稀だと思うので、「1%以上」安くなると言えます。また、契約を継続すると1万円以上の月の還元率が2.5%まで高まる仕組みです。

他社のオール電化プランと比較しても「安い」と言える

1~最大2.5%、大手電力オール電化プランより安くなる「もらえる電気」ですが、この水準は他の新電力のオール電化プランと比較しても「安い」と言えるものです。

そもそもオール電化プランを提供している新電力が少ないですが、オール電化プランを提供している各社のプランと、大手電力のプランを比較すると以下のような料金設定となっています(東京電力エリア、10kVA・月480kWhでの試算)

社名削減率
出光昭和シェル0.8%
CDエナジー1.0%
JCOM電力1.2%

主なオール電化プランの料金水準は上記のとおり。東京ガスの「もらえる電気」は同じ条件で1年目1.0%、3年目以降は2.5%の削減率なので圧倒的に安いと言えます。

オール電化以外におすすめ出来ない理由

オール電化住宅にはおすすめできる「もらえる電気」ですが、一般住宅にはおすすめできません。

他社プランと比べて明らかに高い

電気料金額付与率
4999円以下1%
5000~9999円3%
1万円以上5%

一般住宅用についても、電気料金自体は大手電力と同じ金額で、毎月の料金に応じて上表の還元率でAmazonギフト券が付与され、実質的に値引きが行われる料金体系です。

5000円未満の区分は主に一人暮らし世帯が当てはまりますが、この条件では大手電力より3%前後安くなる料金プランもあります。例えばENEOSでんきや、関東ではCDエナジーが当てはまります。それらと比較して明らかに高いです。

また、1万円以上の区分についても、大手電力より10%近く安くなる新電力もあるので、それと比べると大幅に割高です。例えばエルピオでんきは40A契約・月391kWh使うと東電より11%程度安い料金設定です。

使用量が少ない場合も、多い場合も「もらえる電気」は新電力の料金プランとしては割高な設定です。

東京ガスの従来プランと比べても高い

「もらえる電気」は東京ガスの既存料金プランと比較しても割高です。

例えば「もらえる電気」で5%安くなる使用量、40A・月391kWhで試算すると既存プランは東電より8.5%安くなります。3.5%分の差は小さなものではありません。

また、もらえる電気で1%安くなる一人暮らしの平均使用量(20A・月170kWh)では、既存プランは東電より3.3%安くなります。

「もらえる電気」には東京ガスのガスとのセット割引もありません。