「基本料金・燃料費調整額無し」を謳うリボンエナジーには注意すべき点もあります。他社と比較しながらメリット・デメリットを解説します。
リボンエナジーのメリット
戸建てのファミリー世帯にお得な料金プラン
リボンエナジーの「リボングリーン」プランでは、一般的な電気料金と異なり、基本料金がかかりません。通常の電力会社では、契約する電気の容量が大きいほど基本料金も上がりますが、リボンエナジーには基本料金がないため、契約容量が大きい家庭では特にお得になります。
また、一般的な電力会社は電気をたくさん使うほど料金単価が上がる仕組みですが、リボンエナジーでは一律の料金が設定されており、電気を多く使うファミリー世帯に向いています。
さらに、電気料金を割引してくれる条件もいくつかあります:
- 持ち家の場合:0.55円/kWhの割引
- 住んでいる人数に応じて1人ごとに0.11円/kWh割引(最大0.55円)
- ペットがいる場合や、オール電化住宅、太陽光発電や蓄電池がある場合、電気自動車がある場合にもそれぞれ0.55円/kWhの割引
環境にやさしい再生可能エネルギー
リボンエナジーの「リボングリーン」プランでは、実質的に再生可能エネルギー100%の電気を提供しています。非化石証書という制度を利用して、CO2排出量がゼロとみなされる電気を使うことができます。家庭のCO2排出を減らしたいと考えている人にとって、環境にやさしい選択肢です。
解約金なし
リボンエナジーには、解約の際の違約金がありません。短期間で解約しても、追加費用がかからないため、安心して契約ができます。
電力取引価格が下がれば電気代も安くなる
リボンエナジーは市場連動型プランで、料金単価が電力取引価格に連動して30分ごとに変動します。
このような市場連動型プランは、電力取引価格が低いときに電気代が安くなります。例えば新型コロナの感染拡大で世界経済が停止した2020年は、リボンエナジーと同種の市場連動型プランが一般的な電気料金プランと比較して月に数千円単位で割安だった場面もあります(一般家庭の平均的な使用条件、30A契約・月300kWhの場合)
電力取引価格は1日の中でも大きく上下します。高い時間帯に使用を控え、安い時間帯に「シフト」させる努力を行うことで電気代を削減することも出来ます。自動制御機能がある蓄電池を設置しているご家庭ではそのような価格差の活用が容易です。
リボンエナジーのデメリット・注意点
市場連動型の料金で、値上がりのリスク
リボンエナジーの料金は市場の電力取引価格に連動しています。そのため、電気料金は30分ごとに変わる市場価格に影響を受け、価格が安いときはお得になりますが、価格が急上昇すると、通常の電力会社よりも高くなるリスクがあります。2021年1月のように取引価格が大きく上がった際には、リボンエナジーと同種の市場連動型プランが一般的な電気料金メニューと比較して電気代が3倍前後に達したこともあります。
西日本の地域(北陸、中部、関西、中国、四国、九州)では価格が比較的安定していますが、東日本(北海道・東北・東京)では価格が高騰することが足元では多いです。また、生成AIの普及や半導体工場の稼働により国内の電力需給は今後数年で一段と厳しくなっていく見通しが電力広域的運営推進機関から示されています。電力需給がタイトになることで電力取引価格の水準が切り上がる可能性がある点にも注意が必要です。
単身世帯には不向き
リボンエナジーは基本料金0円で、また一般的な料金メニューのように電気を多く使うと料金単価が高くなる料金体系ではないため、一人暮らし世帯の方にはメリットが薄くむしろデメリットが大きくなる傾向があります。一人暮らしの方にはおすすめできません。