
「電気代が安くなる」と思って新しい電力会社に切り替えたのに、実際は予想外に請求額が跳ね上がった…そんな話を耳にしたことはありませんか?
2025年11月にサービスを開始する「ふるなび電力」も、まさに注意が必要なプランのひとつです。ポイント還元が魅力的である一方、使い方によっては電気代が大手電力の数倍になるリスクを抱えています。
最も注意すべきは「市場連動型」という料金体系
ふるなび電力の「スマートプライスプラン」は、30分ごとに電力市場の価格に合わせて電気代の単価が変動する仕組みです。
通常の電気料金は「燃料費調整」などで月単位の緩やかな変動ですが、市場連動型は短時間で大きく変わるのが特徴。
2021年の電力価格高騰時には、同様のプランで電気代が約3倍(大手電力の標準プランと比較して)になった事例もありました。家計を守りたい家庭にとっては大きなリスクです。
「10%還元」は実際には8%台?
ふるなび電力は「電気代の10%をポイント還元」とアピールしていますが、実際の還元率はもっと低くなる可能性があります。
理由は次のとおりです。
- 税抜き金額に対して還元されるため、税込では約9.1%
- 再エネ賦課金などは対象外 → 実質的な還元率は8%程度
「10%」という数字だけで飛びつくと、思ったほど得をしていない…ということもあり得ます。
メリットももちろんある
ここまでリスクを強調してきましたが、ふるなび電力にも魅力はあります。
環境に配慮した電気
非化石証書を利用して「実質再エネ100%」の電力を提供。CO2排出削減に貢献したい家庭には向いています。
契約縛りがない
解約金や初期費用はゼロ。試しに導入して「合わなければすぐ乗り換える」ことも可能です。
電力取引価格が高騰しなければ電気代は安い
市場連動型プランの電気代は、電力取引価格が高騰しなければ一般的な料金プランよりも安くなる傾向があります。
これは電力会社にとって仕入れリスクが低いことが背景にあります。市場連動型プランでは仕入れコストが跳ね上がってもお客さんに転嫁できるので、その分普段の電気代を安くすることができます。
オール電化家庭や口座振替派には不向き
ふるなび電力にはオール電化向けの割安プランがなく、エコキュート利用世帯には不利です。
さらに、支払い方法はクレジットカードとふるなびコインのみ。口座振替が使えない点も見逃せません。
結論:挑戦するかは「リスク許容度」次第
ふるなび電力は、
「ポイント重視で多少のリスクは受け入れる」という人には面白い選択肢になります。
一方で、
「毎月の電気代を安定させたい」家庭や、「オール電化住宅」にはおすすめできません。
電気料金プランは「自分のライフスタイルに合っているか」が重要です。ふるなび電力に興味がある方も、必ず他の新電力や大手電力のプランと比較してから検討するようにしましょう。