
2021年末から日本でサービスを開始したオクトパスエナジー。そのメリット・デメリットを解説します。
オクトパスエナジーとはどんな電力会社なのか
東京ガスと英国オクトパスエナジーの合弁会社
TGオクトパスエナジーは、東京ガスと英国の新電力会社であるオクトパスエナジーが一緒に日本で設立した会社です。ちなみに、東京ガスはオクトパスエナジー本体にも出資をしています。
オクトパスエナジーは英国で約5%のシェア、180万件に電力を供給しています。200種類を超える多彩な料金プランと、再生可能エネルギーの供給を特徴として伸びている会社です。

2021年末から関東で、22年から全国で展開
TGオクトパスエナジーはまずは親会社である東京ガスの本拠地である関東で早ければ2021年末から家庭向けに販売を開始し、22年度から全国展開しています。
オクトパスエナジーのメリット
再生可能エネルギー比率の高い電力を供給する
オクトパスエナジーでは、脱炭素社会に対応した再生可能エネルギー比率の高い電力を供給します。一部プランでは「実質再エネ100%」を達成しており、環境負荷が小さな電気を供給しています。
一般家庭から排出されるCO2の内、約4割が電力の消費に由来すると言われており、家庭のCO2排出量削減に貢献することが期待されます。

オクトパスエナジーのデメリット
大手電力より高い 「安い」は誤り
オクトパスエナジーは料金が安いという口コミが多いですが、2023年2月現在においてそれは必ずしも事実とはいえません。実際には電気代が高いと言える事実があります。
燃料価格の変動を電気代に転嫁する燃料費調整という料金項目があります。大手電力会社の従量電灯(標準プラン)には燃料費調整に上限ある一方、オクトパスエナジーにはその上限がありません。
2023年2月現在、全国すべての地域で燃料費調整の上限に達しているため、上限が無いオクトパスエナジーは割高になっています。ほとんどの家庭で、オクトパスエナジーの電気代は東京電力や関西電力などの大手電力会社よりも大幅に高くなっています。
紹介料欲しさに「オクトパスエナジーは安い」などと投稿しているTwitterやブログが多いですが、燃料費調整まで含めた実際の電気代は高いので騙されないように注意してください。
関連記事:燃料費調整に上限がある新電力会社の一覧
料金変動リスクにも懸念(市場連動型プラン)
オクトパスエナジーは英国本国では市場連動型プランを提供しています。
市場連動型プランとは、電力の市場価格を消費者が支払う電気料金に反映させる料金体系です。この市場連動型プランは、市場価格の動向によっては電気代が大幅に割高となるケースもあり、非常にリスクの高い料金体系といえます。
日本でも2021年1月に市場価格が暴騰したことで、市場連動型プランの契約者の電気料金が数倍以上に跳ね上がる事態が発生しています。また、2021年9月にはイギリスでも同じような価格高騰が発生し、日本でも報じられているところです。
2023年2月現在、オクトパスエナジーは日本では市場連動型プランの提供を行っていませんが、今後の料金改定には要注意と言えます。
関連記事:市場連動型プランのメリット・デメリット
外資系はトラブルが多い
オクトパスエナジーは英国系の外資系新電力ですが、これまで日本で電力を販売してきた外資系の新電力はトラブルが多い傾向があります。
関係者が逮捕されたり、倒産や事業撤退するところが日本の新電力よりも多い傾向があります。オクトパスエナジーについても、記事の前半で指摘したように実際には電気代が高いにもかかわらず、電気代が「安い」と消費者が誤解してしまうような宣伝を行っていることや、代理店による訪問販売について問題点を指摘することが出来ます。
ちなみに訪問販売を行う場合、訪問販売であることを最初に告げないと特定商取引法違反になる可能性があります。このような訪問販売を受けた場合は国民生活センター(電話:188)に確認してください。